麋とは、大型のシカの一種で、一般にヘラジカ、またはオオジカのことといわれます。雄の特徴のひとつに、枝分かれした巨大な角があります。角は春に生え始め、冬のこの時期に脱落します。ところでこのヘラジカ、北米ではムース、エルクなどと呼ばれ、ユーラシア大陸では北部の針葉樹林に広く棲むとされます。日本では自然には見られないもののようですが、七十二候の言葉は、もともと中国で生まれたものも多く、江戸時代の日本人は異国の極寒の風情を想像して楽しんだのかもしれません。
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