端午の薬玉

昨年の重陽の節句で、茱萸袋を作成しましたが、端午の節句には、薬玉に掛け替えなきゃ!ということでこの度薬玉を作成いたしました。
今回は江戸時代の後桃園天皇皇女、欣子内親王の薬玉をお手本にしています。有職造花は、「枯れる」ことを縁起が悪いと嫌って造花に想いを託します。本当は絹糸に和紙で裏張りして、コテで形作る……それはそれは繊細な工芸品ですが、現代の造花を大胆に(笑)流用して手軽にインテリアに取り入れてみました。造花には牡丹と楓を取り入れるのがポピュラーだったようです。
薬玉は、糸を長く垂らすところから「長命縷」(ちょうめいる)ともいいます。長い糸にも長生きの祈りが込められていたのですね。考えてみれば、魂を結び留めているのも「玉の緒」というのでした。
かずさ